「尊敬語」や「謙譲語」:手紙で間違いやすい言葉づかい

お礼の手紙

正しい日本語を用いる人が少しずつ減って来たようです。「ら」抜き言葉が正しいのか間違っているのか、そんなことまで議論の対象になってしまっているのが昨今です。「ら」抜き言葉は正しい日本語だと思いますか?ことに手紙においては話す言葉よりもさらに高度な日本語遣いが要求されます。

特に敬語に気をつけなくてはなりません。尊敬語・謙譲語・丁寧語と複雑な構成を駆使しつつ、丁寧さも失ってはいけないため注意と同時に「知る」ということも大切になってきます。

「尊敬語」と「謙譲語」を間違えると大変

先様が主語になっている場合は「尊敬語」、自分が主語の場合は「謙譲語」になると覚えておくと良いでしょう。それを間違えてしまうと「私とお会いになる」とか「先生が拝見する」などとトンチンカンな手紙になってしまいますね。

「会う」「聞く」「与える」などの動詞

間違いやすい「動詞」の例を見ていきましょう。

「言う」と言う言葉ならば先生が「おっしゃる」なら私が「申し上げる」です。「書く」であれば先生が「お書きになる」で私が「書かせていただく」「したためる」となります。

依頼の手紙などで「ご高察ください」と書いた場合には相手に対しての尊敬語ですが、自分が考えておくと言う場合には「愚考する」になります。

「こちらにいらっしゃる折にはお目にかかりたく」

これはこちらに「いらっしゃる」のは先生で「お目にかかる」のは私になりますね。本当にあった間違いでは「こちらに参られる際にはお会いになりたいです」と言うものでした。「参る」は謙譲語で「行く」と言う意味、「お会いになる」は尊敬語で「会う」と言うものですね。これでは私の方が先生よりも立場が上ということになってしまいます。

意外と難しい「人物の呼称」

気心の知れた友人などに手紙を書くなら「息子さんも大きくなったでしょうね」や「奥様は」「お父さんは」など、話し言葉をそのまま呼称として書くことができますね。しかしそんな呼称も尊敬語や謙譲語で改まって書くとなるとちょっと曲者です。

「息子さん」は「ご子息」「ご令息」となります。「奥様」はそのまま「奥様」と書くこともできますが「令夫人様」「ご令室」とも書きます。尊敬語にしてみるとちょっと仰々しいようにも見えますが、やりすぎ感がない程度の尊敬語はマナーとして必要不可欠なのです。

「ご尊父様」「お母上様」「兄上様」「姪御様」などが尊敬語での呼称となります。逆に謙譲語にしてみると「実父」「老母」「倅」「愚妻」など、実際のところ「使えないのでは?」と思うような言葉になってしまうこともあります。「愚妻が」などと書いているところをうっかり妻に見られてしまったら!と考えると背筋が冷える方もいらっしゃるかも知れませんね。しかし謙譲語ともなるとへりくだった表現をすることになります。夫婦喧嘩になりそうなときには、尊敬語と謙譲語についてレクチャーしておきましょうね・・・

二重敬語に注意して

丁寧にと思うばかりにやりすぎてしまうのが「二重敬語」です。

「先生がおっしゃられたお話についてですが」というのはいけません。「先生がおっしゃったお話についてですが」というのが正しいのです。「おっしゃる」が尊敬語、そこに「られる」をつける必要はありません。

「おつきあいさせていただいている」とついうっかり手紙で彼氏を紹介してしまいそうですが、「おつきあいしている」が正しいのであって手紙の相手にお断りして付き合わせていただいているのではありませんよね。

手紙で間違いやすい言葉づかい:まとめ

本当に日本語の手紙は厄介なものかも知れません。しかしその複雑な言語をフルに操って「美しい日本語の手紙」を書けるようになりたいですね。

手紙の書き方  手紙の書き方