手紙に添える香りの贈り物「文香」

街中を歩いていて、ふと良い香りに足を止めて振り返ることがあります。街路樹の花だったり通りの店先からの香りだったりと理由は様々です。人間の鼻は直接脳につながっているため、香りによるイメージというのはとても鮮烈なものなのです。心を込めてしたためた手紙にほんのりと「香りの贈り物」を添えて届けて見ませんか?

平安時代にさかのぼる「文香」

「文香(ふみこう)」とは文字どおり「手紙に添える香りの包み」です。平安時代の手紙は、文面を書く便箋自体に「香」を焚き染めて相手に差し出すというものでした。現代では便箋に香を焚き染めていたら火災報知器がなってしまうような住宅事情でかないませんが、報知器を鳴らさずとも手軽に香りを先様へ届ける便利なアイテムがあるのです。中身は「お香」ですが、美しい和紙に包んだものや布地の小袋に詰めたものなど様々な「香りのギフト」があります。

伝統と現代のミックスで季節も感じられる

「お香」と言えば「香道」を想像する方が多いかもしれません。和服で香を嗜む場面を見るとまるで平安時代にタイムスリップしたような気持ちになります。そんな伝統的な香りを現代の愛らしいレターセットに忍ばせて届けて見ませんか?先様が開封するとそこには美しい香りがほんのりと乗せられている、きっと笑顔になってくれるはずです。

季節によって包み紙を変えたり、あるいは「文香」を室内香に変えてお送りするとその時々の楽しみにもなるでしょう。

老舗香木店やデパートの書道用具売り場で

「文香」と検索すると老舗の香木店のホームページなどで見つけることができます。美しく古典的な包み紙に包まれたものから、現代的な和風柄で四季の植物が描かれたものなど様々な種類があり目移りするほどです。またデパートや大きな文具店の書道用具売り場などでは実際に香りを確かめて購入することができるところもあります。

香りを手紙に添えるその他の方法

「文香」はもともと香木を使用して作られていますが、手紙に香りを添えるという意味では他にも方法があります。開封した方がほんのりと香るものの正体を突き止められないという意外性を求めるならば「香り付きインク」です。本当にかすかに香るという程度ですが、ビターなオレンジや爽やかなラベンダーなどの淡い香りが印象に残りますね。

自然の香りが大好き、人工的でない方が良いという方にはドライハーブをおすすめします。ミントの葉を1枚、ラベンダーの蕾をひと枝はさむだけで梅雨時のような鬱陶しい天気も吹き飛ぶ爽快な香りがあふれます。

「文香」は自分で作れる香りのギフト

お気に入りのお香、火がつけられないほど短く折れてしまったことがありませんか?捨てずにとっておけば文香の材料になるのです。紙に挟んでスプーンやハンマーなどで細かく砕きます。折り紙や綺麗な模様のわしにほんの少量包んでシールを貼ればハンドメイドの文香の出来上がりです。着物地のような布なら2枚用意して周囲をピンキングばさみで切って間にお香を挟んで周囲を刺繍糸で塗ったりボンドではり合わせるだけです。

手紙に添える「文香」:まとめ

平安時代は手紙を交わすお互いのことを思い出させるために、紙に香を焚き染めて送りました。それほど深い意味を持たないとしても、手紙を届ける相手に和やかな時間や爽快な季節を過ごして欲しいという思いを込めて「文香」を同封して見ませんか?

手紙の書き方  手紙の書き方