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一般的に「春」と言えば3月から4月ぐらいをイメージしますが、手紙の上での季節は「二十四節気」で表現されます。二十四節気での「春」は2月4日の「立春」から4月20日頃の「穀雨(こくう)」の頃です。
九州あたりでは2月でも「小春日和」のような暖かい日もありますが、それ以外の地域ではまだまだ「極寒」といった時期ですね。寒さは厳しくとも時候のあいさつでは「春らしさ」を表現した言葉を使用します。
「余寒」「立春」「節分」「春寒」などが季語となります。「春浅」「残寒」などもよく書かれる言葉です。自然のものならば「梅花」「梅鶯(うぐいす)」などがあたります。
「暦の上では」という言葉が多用されるのがこの2月です。
「暦の上では春とは言いますが、まだまだ真冬の寒さです。」
「春一番が吹いていくぶん寒さも緩んで参りました」
「寒さが身にしみる季節、梅の花が待ち遠しいですね」
「三寒四温の季節」という言葉も2月には便利ですし「いくぶん寒さもゆるみ」も使えるアイテムです。
暖かい日の訪れを首を長くして待つ気持ちを表してみるとピッタリでしょう。
3月は自然が息を吹き返し、生命の息吹が周り中にあふれる季節です。「花」ならなんでも咲き始める時期で「桃の節句」や虫たちが息づくと言われる3月6日頃の「啓蟄」も季語になります。
「春分」「春雨」「雪解」「解氷」「春暖」などがよく使われます。
「水温む季節となりましたが」や「一日ごとに暖かくなり」「一雨ごとに寒さが緩み」などが使いやすいでしょう。また3月3日の「桃の節句」やこの時期に行われる卒業式にちなんで「旅立ちの春」なども良いですね。
「ひな祭りも過ぎ、日毎に暖かさを感じるようになりました」など、自分の肌感覚を表現してみましょう。
4月は桜や入学・入社式などいろいろなものが思い浮かぶ時期です。4月5日の「晴明」が来ると空は青く澄み渡り、花々が咲き誇りますね。4月20日の「穀雨」をすぎる頃には穀物、特に「米」を育てるための暖かい雨が降り田畑もそれらを育てる準備ができるのです。
「春陽」「春風」「桜花」「桜花爛漫」などが季語として当たりますが、中でも「花冷え」という言葉に4月の天候は象徴されます。
「うららかな春の日を迎え」
「吹く風が柔らかく春の日和となりました」
「花冷えの季節」
などがよく使われる4月の時候のあいさつですが、4月はちょっと注意が必要です。天候の変わりやすい時期で「花冷え」と書いたもののあっという間に桜が散ってしまった・・・なんてこともありますよね。お天気をよく観察しながら選ぶ必要性があります。
桜が散ってしまったら「葉桜も目に鮮やか」「春も半ばを過ぎましたが」というあいさつも覚えておくと良いでしょう。
「惜春の候」という言葉がぴったりな4月の終わりには、「つばめ」が飛来する5月が近くなります。「つばめ」こそ春を惜しむ気持ちを表すのにうってつけの単語です。
春は「三寒四温」から「春爛漫」「花冷え」など、寒暖差も激しい季節です。花や葉の色もどんどん変わり、ランドセルや学生服の子供達にとっても全てが始まりの季節です。身の回りにアンテナを張り巡らせて感じたままを時候の挨拶に込めましょう。