3月の手紙の季語

春に目覚める季節

旧来の名称で3月を呼ぶと、数字で表すのとは、違った情緒が漂います。3月は草木が生い茂るという意味の「木草弥や生ひ月」を短くした、弥生と呼ばれています。この他、桜月、雛月、早花咲月(さはなさづき)、夢見月、染色月(しめいろづき)、嘉月、花津月、花見月、春惜月(はるおしみづき)、花月(かげつ)などがあります。いずれにしましても、春に目覚め、春本番に移ろう時期です。二十四節季では、冬ごもりから目覚めた虫たちが、地面から顔を出す頃の「啓蟄」、昼夜の長さがほぼ同じになる日の「春分」にあたります。手紙の冒頭では、その月の季節を伝える季語や言葉を用いて、先方の安否などを気遣う言葉を書きます。季語はその中で要になると言えます。それでは、この3月の手紙の季語について説明していきます。

3月の季語

早春の候、春分の候、春暖の候、春寒の候、浅春の候、軽暖の候、浅暖(せんだん)の候、迎梅(げいばい)の候、萌芽の候、春分のみぎり、早春のみぎり、浅春のみぎり、軽暖のみぎり、浅暖のみぎり、春暖の折、春寒ようやくゆるむ折、春光天地に満ちわたる折などが挙げられます。この他、俳句の季語にも使われる、桃の節句、雛祭、白酒、春の雪、春雷、伊勢参、蜆(しじみ)、若鮎、彼岸、彼岸桜、春雨、牡丹の芽、芍薬(しゃくやく)の芽、桔梗の芽、苗床、田楽、菜飯、鰆(さわら)、鱒(ます)、独活(うど)、蒲公英(たんぽぽ)などもプライベートな手紙の表現に使えます。

季語を交えたビジネスの手紙の例文

「軽暖の候、ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。」
「早春の候、貴所ますますご発展のこととお慶び申し上げます。」
「浅春の候、貴社ますますご盛栄のこととお慶び申し上げます。」
「春暖の候、貴社ますますご繁栄のこととお慶び申し上げます。」
「春寒の候、皆様にはより一層ご活躍のこととお慶び申し上げます。」
「春分の候、貴社皆様におかれましては、ますますご健勝のこととお慶び申し上げます。」
「早春のみぎり、貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。」
「春暖の折、皆様ますますご健勝のこととお慶び申し上げます。」
「春寒ようやくゆるむ折、皆様のより一層のご発展をお祈り申し上げます。」

季語などを交えたプライベートな手紙の例文

「寒気も次第にゆるんでまいりましたが、いかがお過ごしでしょうか。」
「春というのに寒い毎日が続きます。○○さんは、お元気ですか。」
「春弥生、木も花もつぼみを膨らませてきましたが、お変わりなくお過ごしでしょうか。」
「木々の緑、日一日と色めく季節となりました。近いうちにお伺いいたします。」
「春光天地に満ちる季節になりましたが、お健やかにお過ごしでしょうか。」
「虫たちが土の中から這い出る啓蟄の季節になりました。毎日お元気でお過ごしでしょうか。」
「暑さ寒さも彼岸までの言葉通り、春の訪れを実感する今日この頃。お変わりなくお過ごしでしょうか。」
「木々が芽吹き始め、春霞の日が多くなってきましたが、お健やかにお過ごしでしょうか。」
「やわらかな春の日差しが嬉しい季節になりましたが、いかがお過ごしでしょうか。」

まとめ・様々な春模様を描く

早春の候、春分の候、春暖の候、浅春の候、軽暖の候、迎梅(げいばい)の候、春暖のみぎり、浅暖のみぎり、春暖の折、春寒ようやくゆるむ折などの季語を用いて季節感が漂う手紙を書きます。ビジネスの手紙やプライベートな手紙には、この3月を彩る言葉を用いた、それぞれに相応しい表現があることがわかります。二十四節季では、「啓蟄」「春分」を用います。ビジネスの手紙では、3月の春の目覚めや春本番を感じさせる季語を用いて、先方の繁栄や健康を願ったより丁寧な表現にします。プライベートな手紙では、木々の芽吹きなどの春の情景を語りかけるように表現し相手を気遣います。プライベートな手紙に使える俳句の季語では、桃の節句、春の雪、春雷、若鮎、彼岸、春雨、桔梗の芽、苗床、田楽、菜飯、鰆(さわら)、蒲公英(たんぽぽ)などがあります。これらを時々の状況に応じて使い分け、春めいた3月の手紙を書きたいものです。

手紙の書き方  手紙の書き方