4月の手紙の季語

春の趣が漂う頃

ただ数字だけで4月と言うのではなく、旧来の名称で呼ぶと、心を和ませる風情が漂います。4月は卯の花が咲く月というところから卯月(うづき)と呼ばれています。江戸時代の寛文年間に書かれた季語集にも4月の異名と記されています。この他、陰月、余月(うづき)、得鳥羽月(えとりはのつき)乾月、清和月、鎮月、鳥月、鳥待月、花残月(はなのこりづき)などがあります。いずれにしましても、花が咲き春の日和が感じられる時期です。二十四節季では、清浄明潔という語に相応しい晴れ渡った空を指す「清明」、田畑の準備が整う頃に柔らかな春の雨が降ることを指す「穀雨」にあたります。手紙の冒頭には、その月の季節を伝える季語や言葉を使って、相手の安否などを気遣う言葉を書くのが一般的です。季語はその中で大切な要素と言えます。それでは、この4月の手紙の季語について説明していきます。

4月の季語

春暖の候、仲春の候、陽春の候、春色の候、桜花の候、春爛の候、春宵の候、麗春の候、春日の候、春粧の候、純陽の候、卯花月の候、修景の候、春暖のみぎり、仲春のみぎり、春宵のみぎり、陽春のみぎり、春爛のみぎり、春日のみぎり、修景のみぎり、仲春の折、春爛の折、麗春の折、春粧の折、純陽の折、修景の折などが挙げられます。この他、俳句の季語にも使われる、朧月、春燈、都踊、遍路、山葵の花、春菜、春大根、草餅、鶯餅、桜餅、梨の花、杏の花、沈丁花、木蓮、杉の花、柳、蝶、花衣、春の夢、春愁、蜃気楼、山吹、馬酔木の花などもプライベートな手紙の表現に使えます。

季語を交えたビジネスの手紙の例文

「桜花の候、貴社ますますご健勝のこととお慶び申し上げます。」
「春暖の候、皆様にはより一層ご活躍のこととお慶び申し上げます。」
「陽春の候、貴社ますますご繁栄のこととお慶び申し上げます。」
「修景の候、貴所ますますご隆盛のこととお慶び申し上げます。」
「春宵の候、貴社ますますご健勝のこととお慶び申し上げます。」
「麗春の候、貴所ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。」
「卯花月の候、皆様のより一層のご発展をお祈り申し上げます。」
「仲春のみぎり、貴社におかれましては、ますますご繁栄のこととお慶び申し上げます。」
「春粧の折、皆様にはより一層ご活躍のこととお慶び申し上げます。」

季語などを交えたプライベートな手紙の例文

「ようやく暖かさを増してまいりました。○○さんお元気ですか。」
「春陽麗和の季節となりましたが、いかがお過ごしでしょうか。」
「いつしか葉桜の季節となりましたが、お健やかにお過ごしでしょうか。」
「桜の花もほころんでまいりました。近いうちにお伺いいたします。」
「しめやかな春雨に心も落ち着くころとなりましたが、毎日お元気でお過ごしでしょうか。」
「こぬか雨に過ぎゆく春を惜しむ今日この頃、お元気でいらっしゃいますか。」
「快い春眠の朝を迎える頃となりました。お元気でお過ごしですか。」
「春風に誘われ、外出の機会も多くなりましたが、いかがお過ごしですか。」
「若葉がいちだんと爽やかに感じられる季節になりました。お健やかにお過ごしでしょうか。」

まとめ・花と天候の移ろいが主体

春暖の候、仲春の候、陽春の候、春色の候、桜花の折、春爛の候、春宵のみぎり、麗春の候、春粧の候、純陽のみぎりなどの季語を使い季節感が漂う手紙を書きます。ビジネスの手紙やプライベートな手紙には、この4月を彩る言葉を使ったそれぞれに相応しい表現があることがわかります。二十四節季では、「清明」「穀雨」を用います。ビジネスの手紙では、4月のうららかさを感じさせる季語を用いて、相手の繁栄や健康を願ってより丁寧に表現します。プライベートな手紙では、4月の空模様や花の情景などを語りかけるように表現し、相手を気遣います。プライベートな手紙に使える俳句の季語では、朧月、春燈、遍路、山葵の花、春菜、蜃気楼、山吹などがあります。これらを相手に応じて使い分けて、心が和む4月の手紙を書きたいものです。

手紙の書き方  手紙の書き方