6月の手紙の季語

添え状

梅雨から初夏への情景を映す

6月をただ数字で言うのではなく、旧来の名称で呼ぶと、どこか風情が漂います。6月は水田に水を引き始める月であることから、水無月と呼ばれています。水田に水を張る月であることから、水張月とも呼ばれています。この他、水月、皆仕月、弥涼暮月(いすずくれづき)、松風月、風待月などがあります。いずれにしましても、梅雨から初夏という気候の変動が大きい時期です。二十四節季では、田植え、種まきの時期の「芒種」から1年でもっとも昼が長い日の「夏至」となります。一般的に手紙の冒頭では、その月の季節を伝える季語や言葉を用いて、先方の安否などを気遣う言葉を添えます。季語はその中で中心的な要素と言えます。それでは、この6月の手紙の季語について説明していきます。

6月の季語

入梅の候、入梅の折、入梅のみぎり、梅雨の候、初夏の候、薄暑の候、首夏の候、青葉の候、麦秋の候、向夏の候、孟夏の候、長雨の候、短夜の候、季夏の候などが挙げられます。初夏のみぎり、首夏のみぎり、青葉のみぎり、麦秋のみぎり、小夏のみぎり、向夏のみぎり、孟夏のみぎり、季夏のみぎり、簿暑の折、青葉の折、麦秋の折、長雨の折、孟夏の折、短夜のみぎり、短夜の折などが挙げられます。この他、俳句の季語にも使われる、紫陽花、出水、実梅、河鹿、早乙女、鯵、糸蜻蛉、青桐、若竹などもプライベートな手紙の表現に使えます。

 

季語を交えたビジネスの手紙の例文

「入梅の候、貴社ますますご健勝のこととお慶び申し上げます。」
「薄暑の候、貴所ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。」
「向夏の候、貴社ますますご発展のこととお慶び申し上げます。」
「麦秋のみぎり、皆様にはいっそうご活躍のこととお慶び申し上げます。」
「梅雨の候、貴社ますますご繁栄のこととお慶び申し上げます。」
「青葉の候、貴所ますますご隆盛のこととお慶び申し上げます。」
「小夏のみぎり、貴社いよいよご繁栄のこととお慶び申し上げます。」
「初夏のみぎり、皆様のより一層のご発展をお祈り申し上げます。」
「長雨の折り、皆様にはいっそうご活躍のこととお慶び申し上げます。」
「短夜のみぎり、貴所ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。」

季語などを交えたプライベートな手紙の例文

「梅雨の季節になりました。○○さんお元気ですか。」
「入梅の折から蒸し暑い日が続きます。ご家族の皆さん、お元気でしょうか。」
「青葉若葉の候、いかがお過ごしでしょうか。」
「長雨が続きますが、お元気ですか。」
「暑気日に日に厳しさを増す今日この頃。いかがお過ごしですか。」
「梅雨明けが待ち遠しい今日この頃です。」
「そろそろ海や山の恋しい季節。いかがお過ごしですか。」
「くちなしの花が香る季節になりました。近いうち、お伺いいたします。」
「麦秋の黄金色が目に眩しい季節になりました。」
「紫陽花の花の紫が日ごとに深まる今日この頃。みなさんお元気ですか。」
「梅雨の晴れ間に日一日と暑さが感じられる今日この頃。皆様、いかがお過ごしですか」

まとめ・浅い夏に季節感がある

入梅の候、入梅のみぎり、薄暑の候、首夏の候、青葉の候、麦秋のみぎり、小夏のみぎり、向夏のみぎりなどの季語を用いて季節感が漂う手紙を書きます。ビジネスの手紙やプライベートな手紙には、この6月を彩る言葉を使ったそれぞれに相応しい表現があることがわかります。二十四節季では、「芒種」「夏至」を用います。ビジネスの手紙では、季語を用いて、繁栄や健康を慶ぶことを丁寧に表現します。プライベートな手紙では、6月の梅雨空などを語りかけるように表現し、相手を気遣います。プライベートな手紙に使える俳句の季語では、紫陽花、実梅、河鹿、早乙女などがあります。これらを上手に用いて、季節感あふれる6月の手紙を書きたいものです。

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