手紙における12月の結び

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伝統的な言い回しが多い

季節を問わない結びの言葉もありますが、季節を感じさせるその月ならではの表現もいろいろとあります。12月と言えば、年の瀬が迫り、新年の準備に忙しい時期で、寒さや忙しさが印象的となります。12月を彩る言葉には、冬になり寒さで草木の葉が枯れている様を指す、冬枯れ。二十四節季の大雪。冬の晴天時に吹く寒冷で乾いた風の、空っ風。秋から初冬にかけて樹木を枯らすように吹いて冬の到来を知らせる、木枯らし。二十四節季の冬至。誰もが知る陰暦の古称でもある師走。これらを上手く盛り込んだ表現が12月の結びの言葉に使われます。結びの言葉次第で、さり気なく季節感が感じられる手紙になるわけです。それでは、この手紙における12月の結びについて説明していきます。

改まったビジネスの手紙の場合

「貴社の皆様おそろいで、穏やかな新年を迎えられますようお祈り申し上げます。」
「来年も、変わらぬご指導ご鞭撻の程、よろしくお願い申し上げます。」
「来年も、ご支援ご厚情を賜りますよう宜しくお願い申し上げます。」
「来年も、ご愛顧の程、宜しくお願い申し上げます。」
「年の瀬を迎え、諸事ご多忙のことと存じますが、ご返事賜りたくお待ちいたしております。」
「寒冷のみぎり、皆様のさらなるご健勝とご活躍をお祈り申し上げます。」
「どうぞお健やかに新年をお迎えになられますようお祈り申し上げます。」

堅苦しくないビジネスの手紙の場合

「何かとご多用な年の暮れ、体調を崩されぬようご自愛ください。」
「時節柄、どうぞご自愛ください。」
「心せわしい年の暮れ、何かと御多用とは存じますが、お気をつけて年末をお過ごしください。」
「年末ご多忙の折ではございますが、お身体にお気をつけて新年をお迎えください。」
「ご多忙の折ではございますが、皆様、風邪など召されませぬようご自愛ください。」
「空気の乾燥した季節になりました。風邪などお召しになりませぬよう、ご留意ください。」
「寒い日が続きますが、皆様どうぞお健やかにお過ごしください。」

親しい人への手紙の場合

「お元気で新年をお迎えになりますように。」
「寒い日が続きますが、お体にお気をつけてお過ごしください。」
「今年も早いもので、一年の締めくくりの時期になりましたが、お互いに頑張りましょう。」
「あわただしい年の暮れ、どうぞお健やかにお過ごしください。」
「ご家族そろって穏やかな新年をお迎えください。」
「来年も、素晴らしい年になりますよう願っております。」
「皆様おそろいで、輝かしい新年をお迎えください。」
「何かと気忙しい毎日ですが、健康には十分にご留意ください。」
「年末のお忙しい中お手数ですが、折り返しご一報ください。」

まとめ・忙しさを気遣うことが多い

冬枯れ、大雪、木枯らし、師走などの言葉を使うことで結びの挨拶に季節感が漂います。ビジネスの手紙や親しい人に宛てる手紙などには、この12月を彩る言葉を使ったそれぞれに相応しい結びの表現があることがわかります。改まったビジネスの手紙では、「寒冷のみぎり~」「新年~」などの言葉を盛り込み、「お祈り申し上げます」のような、より丁寧な表現にします。堅苦しくないビジネスの手紙では、「ご多忙の折~」「年の暮れ~」などの言葉を盛り込み、「ご自愛ください」のような相手を気遣う柔らかい表現にします。親しい人への手紙では、「あわただしい年の暮れ~」や健康を気遣う言葉などで語りかけるように表現します。これらの使い分けて年末の手紙を結びたいものです。

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