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手紙には形式があります。そして私たち日本人は日本語で書く手紙には何となく親から教えられ、子供の頃から祖父母に手紙を書いたり、友人に年賀状を書いたり少しは慣れているものです。そして外国人の友人がいたら、またその友人の国の言葉を知ることになるでしょう。社会人になると世界の共通語である英語を使うシーンが増えてくるかもしれません。一般的に英語での手紙の書き方は、学校で一度は習ったことがあると思いますし、また、ビジネスイングリッシュを学ぶ機会があった人は特に英文レターや英文メールの書き方を学んだことでしょう。社会人になって仕事で常に英文レターに接している人もそうでない人も、日本語の手紙と同様、今の時代ですから英文レターの書き方や形式なども簡単に覚えておくと良いでしょう。英文レターは日本語の手紙より形式や決まり事は少ないです。どちらかというと英文レターの方が簡単ではないでしょうか。気を付けたいのは「結びの言葉」です。他は自由に書いてかまいませんが、最後の挨拶は締めの言葉として決まりごとがありますし、心をこめて丁寧に書いていただきたいのです。フォーマルレターやカジュアルレターなど種類によって多少の結びの言葉の違いがありますから、ポイントをおさえておきましょう。
英文レターにはあまり決まり事はないので、本文を書いたら最後の「結びの言葉」で手紙のフォーマル度や相手との間柄が示されることが多いです。良く使われる表現として、日本語の「敬具」に当たるものがあります。それは「Sincerely」や「Best regards」です。英文レターでは日本語の手紙のように、頭語、前文はそれほど重要ではなく、用件が終わってからの末尾の言葉が大切になりますので、失礼にならないように「結びの言葉」の種類をできるだけ覚えておくと便利でしょう。
フォーマルな手紙の最後に「Sincerely」を使います。この意味は「真心をこめて」という意味です。日本語のビジネスレターでは少々不似合いな言葉ですが、英文のビジネスレターでは「このお取引を真心こめて行っている」という言葉を最後に書くのです。そして担当者の自筆サインをこの「Sincerely」の下に記入します。そしてさらに丁寧な言葉として「yours」をつけて「Sincerely yours」「Yours sincerely」と書きます。この「yours」の意味は文字通り「あなたの」「あなたのもの」になるのですが、詳細に言うならば「あなたの為に居る者」「あなたの為に働く者」という意味を持ちます。「Sincerely」よりも更に大切に扱いたい、目上の人や仕事上の顧客などに対して「Sincerely yours」「Yours sincerely」と書いて、下にフルネームで自筆サインをしましょう。これだけで手紙の受け取り手は、とても大切に思われている、大切に扱われていると感じるはずです。日本語の手紙のように全体の形式を通してフォーマルさを表すものと違い、最後の最後に書き手と受け取り手の間柄がどのようなものなのかを表す部分がある英文レターは、ここでしくじってしまっては元も子もないのです。特にビジネスでは丁寧な結びの言葉を使いましょう。
カジュアルな手紙で使われる結びの言葉としては「Regards」があります。これは「敬意をこめて」とあらわせます。カジュアルだけでなくビジネスレターにも「Regards」は使えますが、どちらかというと「Sincerely」がフォーマルですから間違いありません。仕事の間柄でそこまでフォーマルではなく常に連絡を取り合っているような親しいい間柄でしたら、「Regards」でかまいません。それにプラスして「best」を使うと、「Best regards」で「最上の敬意の気持ちを込めて」という意味になり、より丁寧になります。そして自筆サインですが、カジュアルな間柄ですからフルネームではなく、ファーストネームだけでもかまいません。
親しい友人など、カジュアル以上の親しみを込めた結びの言葉があります。「Best wishes」がそうです。この意味は直訳すると「幸運を祈る」となりますが、親しい間柄であるほど「うまくいくといいね」ぐらいの感覚です。それにつながる言葉で「Best」「All the best」も使います。どちらも「I wish you all the best」(すべての成功を祈っています)を省略する言葉として使われます。また親しい友人や特に恋人、家族などに対して「Love」「With love」(愛をこめて)を使うことが多いです。特に女性からの手紙は「Love」をよく使います。最上級の親しみを込めた言葉ですから、間柄を良く考えて使うことが大切です。勘違いをされないように注意しましょう。親しい友人同士なら「Your friend」(あなたの友)と書くことで友情の再確認ができます。年齢差を超えて親しみを感じさせる効果もあるので、それだけ親しく対等に感じているよ、と知らせる時に使うと良いでしょう。ですから、「Your friend」は、書き手が年下の場合はこちらから使うのは失礼になるので使わないように気を付けましょう。もちろんこれら親しみをあらわす結びの言葉の下には、ファーストネームだけのサインで良いです。