手紙の結びの基本

目次

結びまで気を抜かない

手紙の書き方資格取得の通信教育

手紙は相手に伝えたい用件や気持ちを主文などに書き表し、充分に書ければ、それだけで、結構満足してしまったりします。しかし、書き出しが手紙のマナーに則っていても、結びが、それに対応していないと片手落ちということになりかねません。結びは、主文の後に書く手紙を締めくくる言葉でなので、送る相手や手紙の内容に合わせて簡潔に書き上げることが肝要と言えます。季節に関わりなく使える結びの挨拶、季節に応じた結びの挨拶などいろいろとあるので、的確に使い分けたいものです。プライベートな手紙の場合、相手の健康や幸せを願うような言葉にし、ビジネスの手紙の場合、相手の繁栄や活躍などを祈る気持ちなどを書き表します。最後まで気を抜かずに思いやりの気持ちを添えるものなので、丁寧に心を込めて書きます。それでは、この手紙の結びについて説明していきます。
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結語について

・一般的な手紙の場合
結語を「敬具」「敬白」で終えるには、頭語を「拝啓」で始めます。

・前文を省略する場合
結語を「草々」で終えるには、頭語を「前略」で始めます。

・丁寧な手紙の場合
結語を「謹言」「謹白」「謹上頓首」で終えるには、頭語を「謹啓」で始めます。

 

・敬意を表す手紙の場合
結語を「頓首」「再拝」「頓首再拝」「九拝」で終えるには、頭語を「粛啓」で始めます。
結語を「頓首」「再拝」「頓首再拝」「九拝」で終えるには、頭語を「恭啓」で始めます。

・急用の場合
結語を「草々」で終えるには、頭語を「急啓」で始めます。

・返事の場合
結語を「草々」「敬具」で終えるには、頭語を「拝復」で始めます。

・再信の場合
結語を「草々」「敬具」で終えるには、頭語を「再啓」で始めます。

・充分に意を尽くせなかった場合
結語を「不一」「不尽」「不乙」「不悉」「不備」で終えるには、頭語を「冠省」で始めます。

・この他の組み合わせの場合
結語を「不尽」で終えるには、頭語を「急啓」で始めます。
結語のみの場合もあり、その際は 頭語を書かないことになります。

末文について

末文は、主文の後で手紙文を締めくくる部分で、「結びの挨拶」「結語」で構成されています。

・相手の健康や幸せを祈る結びの挨拶例
「ご自愛のほどお祈りいたしております。」
「お体をお大事になさってくださいませ。」
「ご自愛専一にお過ごしくださいませ。」
「時節柄くれぐれもご自愛くださいませ。」
「お風邪など召されませんように。」
「ご多幸をお祈り申し上げます。」
「実り多き一年になりますようにお祈りしております。」
「お健やかにお過ごしくださいませ。」

・相手の繁栄や活躍を祈る結びの挨拶例
「ますますのご発展をお祈り申し上げます。」
「末筆ながらますますのご活躍をお祈り申し上げます。」
「より一層のご活躍をご祈念いたしております。」
「どうぞお元気でご活躍されますように。」

・今後につなげる結びの挨拶例
「またお会いできる日を楽しみにしております。」
「近いうちにまたご連絡いたします。」
「詳細を改めてご連絡いたします。」
「今後ともよろしくお願いいたします。」

・用件を結ぶ挨拶例
「まずは書中にてご挨拶申し上げます。」
「略儀ながら書中をもちましてお礼とさせていただきます。」
「用件のみにて失礼いたします。」
「以上、どうぞよろしくお願いいたします。」

・伝言を頼む結びの挨拶例
「お手数ながら、○○様にもお礼をお伝えいただけますでしょうか。」
「お手数ですが、○○様にもよろしくお伝え願います。」
「恐れ入りますが、よろしくご伝言のほどお願い申し上げます。」
「末筆ながら、○○様にもくれぐれもよろしくお伝えください。」

・返信を求める結びの挨拶例
「恐れ入りますが、ご返事をいただければ幸いに存じます。」
「ご多用中恐縮ではございますが、折り返しご返事いただけますようお願い申し上げます。」
「ご返事お待ち申しあげております。」
「お手数をお掛けいたしますが、ご返書くださいますようお願いいたします。」
「お手数ながら、ご回答いただければ幸甚です。」
「ご多忙と拝察いたしますが、ご返事を賜りますようお願い申し上げます。」
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まとめ・結びでしっかりと締めくくる

結びの言葉を疎かにすると、書き出しなどが手紙のマナーに則っていても、残念の印象となり、その内容も、色が褪せることにもなります。手紙の結びには、結語というものがあり、必ずこの結語に対応した頭語があることがわかります。結語のみの場合は頭語は書きません。複数の結語に対して一つの頭語ということもありますが、明確な使い分けはないようです。また末文は結びの挨拶と結語で構成されています。結びの挨拶には、相手の健康や幸せを祈る結び、相手の繁栄や活躍を祈る結び、今後につなげる結び、伝言を頼む結び、返信を求める結びなどのパターンがあり、使い分けができます。これらの結びの使い分けなどを理解して手紙に活かしたいものです。

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