手紙の書き方で前略に関わる例文

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いきなり本文が書き出せる

一般的に手紙を書く際は、頭語に「拝啓」で結語に「敬具」となり、目上の相手への返信では、頭語に「拝復」で結語に「敬具」とします。この「拝啓」から書き出した場合に次にくるのが「時候の挨拶」ですが、「前略」から書き出した場合、時候の挨拶を省き短くできます。本来の形式で「拝啓」「敬具」となるところを簡略化すると「前略」「草々」になり、いきなり本文から書き出すことができるわけです。「前略」とはその名の通り、前の文を省略するもので、基本的に正式な手紙には使いません。上司などの目上の人に対しても失礼になるので使わず、親しい間柄に限って使うことになります。また年賀状や暑中見舞い、冠婚葬祭に関する手紙にも用いないのが慣例です。それでは、この手紙の書き方で前略に関わる例文について説明していきます。

前略を用いた手紙の注意点

「前略」の結語は「草々」と決まっています。前文を略しているため、手紙で相手を敬う気持ちを省略したことになるわけです。急いで筆を執った意味合いがあり、「草々」は、取り急ぎのご連絡をして失礼いたしました、ということになります。「前略~草々」は相手への敬意よりも手紙の内容を重視していることになります。ビジネスの手紙で「前略」を使用する際は、必要最低限のことを簡潔に伝え、目上の相手の場合はまず使わないことに留意します。

ビジネスの手紙で前略を用いた例文

「前略 この度は私の急病でご迷惑をおかけして申し訳ありません。つきましては、A社との打ち合わせの件、代わりにお願いできればと思います。取り急ぎ、よろしくお願いします。草々」
「前略 昨日10時頃メールで注文いたしました、○○の注文の品を△△の商品に訂正いただきたくお願いいたします。お手数とは存じますが、よろしくお取り計らいの程重ねてお願いいします。草々」
「前略 取り急ぎ、用件のみ申し上げます。~草々」
「前略失礼いたします。先日のお見積書の件、確かに承りました。今後ともよろしくお願いいたします。草々」
「前略 先日はご相談いただきありがとうございました。今後もお役に立てますよう、努力して参りますので、何卒よろしくお願い申し上げます。草々」

プライベートな手紙で前略を用いた例文

「前略 その後すっかりご無沙汰していますが、お元気ですか。~草々」
「前略 叔父様が急なご入院とお聞きし、心配しております。お加減はいかがでしょうか。~草々」
「前略 先日のご縁談の件、結納と相成りました。ご紹介くださいました叔母様にまずはご連絡をとペンを取りました。~草々」
「前略 先日の誕生会にお出でいただき、ありがとうございました。今後とも、ご指導などをいただきますようお願いいたします。草々」
「前略 この度の台風の被害に際しましては、早速にお見舞いを賜り、誠にありがたく厚く御礼申し上げます。~草々」
「前略 先日はとても楽しいひと時を過ごさせていただきました。~草々」

まとめ・あくまでも略式となる

「拝啓」「敬具」で終わる手紙の他に「前略」「草々」で終わる手紙を目にすることがあります。手紙を書く際には、この違いが気になるところです。「前略」は、取り急いでいたり、書面にて失礼する際に、用いることができる便利な頭語と言えます。しかし、その扱いには、いくつかの注意点があることがわかります。基本的に正式な手紙や目上の相手に出す手紙には使わないとされています。ビジネスでもプライベートでも、親しい間柄や、正式でない時に用います。「前略失礼いたします」などの丁寧の形にすることもあります。また年賀状や暑中見舞い、冠婚葬祭に関わる手紙にも使わないのが慣例となっています。前略の使い方を理解してスマートな手紙にしたいものです。

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